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なぜ新潟中部沖地震で、木造住宅が被害を受けたか
東京大学・地震研究所 纐纈一起教授によりますと、今回の住宅全壊は、以下の一連のプロセスにより発生したものと考察されております。※参考:新建ハウジングプラス1 2007/08号 特集:木造住宅はなぜ壊れたか

通常、木造住宅の固有周期は、0.5秒程度以下と考えられています。ところが、今回の地震では、0.5秒程度の比較的短い周期の揺れもそれなりのパワー(震度)がありました。そのパワーがある短周期の揺れを、木造住宅がまともに受けたため、まずクラックが入ったり、接合部が緩くなるなどの小さな被害が起きました。

ただし、その被害により、揺れに対する建物の固有周期が1〜3秒位になり、そこに、建物の固有周期と同じ程度の1〜3秒程度の長周期の揺れが到来し建物が共振。結果として建物全壊に至ったものと想定されています。

逆に言えば、長周期の揺れがなければ、比較的小さな被害は発生したとしても全壊には至らなかったのではないか?という仮説も成り立ちます。

次に、液状化の被害についてについても考えてみます。長周期震動にも関連する仮説ですが、地盤が液状化することで、地表の地震動が弱まるという説もあります。

正確な関連性は各学術機関による研究結果を待つしかありませんが、地盤の液状化さえ起きなければ、今回の新潟中越沖地震で全壊するような被害は、もしかすると少なかったのかもしれません。

現在、住宅側での液状化対策としては、基礎を地中梁として設計し、固く造っておくことが推奨されています。地盤の沈み込みは避けられませんが、基礎さえ固ければ傾きにくく、傾いたとしても復旧しやすいとの考えに基づいています。

住宅の被害でもっとも辛い被害は不同沈下。見た目はなんともなくても、床が傾いていることで、お住まいの方が自律神経失調症になりそうな状態になることは、微妙に傾いた状態で長時間立っていることが困難なことからも、容易に想像できると思います。倒壊していないため、行政からの見舞金や助成の額が減らされる可能性も否定できません。

しかし、阪神大震災以降、地盤の液状化が起きなかった大地震はほとんどありません。3年前の新潟県中越地震でも、長岡市の広い範囲で液状化が発生し、住宅が不同沈下しています。

土地選びの最重要ポイントとも考えられる地盤の状態。最寄り駅からの距離や、買い物・通学の利便性ももちろんですが、来るべき震災リスクをも想定した土地選びも大切なことです。
2007/09/04現在の記事です。
記事提供: 家づくりの“プラス”ワンポイント 株式会社武海建設 早坂淳一
著作権・免責について
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